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人々が寝静まっている午前4時。 新潟漁港に集まってきた魚介の競りが始まる時間。
晴れた日の市場には並びきらないくらいの魚の箱がびっしりになります。
威勢のいい声が夜明け前の市場に響く中で、角屋旅館の調理長は、たくさんある蟹の箱の中から、特に木箱入りのカニを探します。

「 木箱のカニ、ねぇーかぁ〜  木箱のカニ〜 」

さて、今朝は美味しい蟹を、手に入れることができるでしょうか。


 

 

 

木箱の甘海老

木箱の甘えび

これは、木箱の甘海老(新潟では南蛮海老と呼ぶ)。 佐渡島の漁船ではなく、新潟港から出かける大型船の水揚げです。

近年の魚を入れる箱は、ほとんどが発泡スチロールの箱「トロ箱」に変わりました。 佐渡の港に所属する船はすべて発泡スチロールを使用しますが、この船だけは未だに木箱を使います。

大型船で甘えびを採り、カニを採り、魚を採り・・・

色々な新潟の海の恵みを持って帰ってきてくれます。 大型船なのでその水揚げ量が多く、品質が安定しているのが魅力です。 

魚市場で木箱のカニが並んでいるときは、間違いなく木箱をチョイスします。

 

 

木箱に入って市場に並んでいるときは、かにはこんな風に裏返しになって流通します。
また、宿の調理場の大きな鍋でカニを茹でる時も裏返しにして茹でます。

 

 

そうなんです。 毛ガニと言えば北海道を想像しますが、新潟の海にも毛ガニがいます。
日本海側なら新潟県から北の海で、太平洋側は、茨城県から北で、広い範囲で毛ガニは採れるのです。
毛ガニを選ぶときは、大きなサイズよりも中くらいがおすすめです。 大きなものは大味になります。 毛ガニの身も甘くておいしいのですが、やはり一番の楽しみは味噌です。

新鮮な毛ガニは、茹でた時に味噌が綺麗なオレンジ色になります。
色が鮮やかな味噌ほど、甘みが強く美味しいのです。

角屋旅館のかにコースでは、新潟のズワイガニをメインに、タラバガニ、毛ガニ、ワタリガニ、川蟹など、季節を感じることができるカニを少し入れてコースにしています。

食べ放題や格安な宿のカニ料理とは一線を画しています。

 

 

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