5,000羽もの大きな鳥が、半年もの間、餌を食べ続けることができる理由は?
江戸時代より干拓が行われてきた歴史があり、昭和41年に行われた国営干拓地では、当時の半分の広さが田んぼに変わりました。それでも、越後平野で一番大きい潟湖(せきこ)です。
大型の鳥たちが冬の間ここで過ごす事ができるのは、オオヒシクイにとって広い福島潟は安心して夜を過ごすことができる場所であり、ヒシやマコモなどの大好物がたくさんあり、周囲の水田にもイネの落穂や二番穂などのごちそうがあるからです。そのために、オオヒシクイ達の楽園ができ上がったのでしょう。
オオヒシクイが食べるのは、菱の実とマコモの地下茎、そして玄米
福島潟の湖面に育つ「ヒシ」の実と湖岸に生えるヨシに似た植物の「マコモ」の地下茎とが、オオヒシクイの好物です。特にヒシの実は大好物で、「菱喰い(ヒシクイ)」の名前の由来にもなっています。大きな福島潟には、これらの植物が多く繁殖しているのですが、近年、マコモが減少しており、地元のボランティアの人たちは、毎年、マコモの植栽をしています。
地球上の生物多様性の中で、人間の干拓という行為がオオヒシクイを集めたのでしょうか
人間たちが壊してきたモノもたくさんある中で、周囲に広がる一面の水田のおかげで、日本に飛来するオオヒシクイの半数以上が、この土地で越冬しているという事。
五頭山麓から福島潟周辺は、人が関わることで守られる里山の自然環境とその暮らしが生き続けている貴重な地域だと実感できます。 |