村杉温泉 薬師如来 由来
温泉の守護仏である薬師如来をまつる薬師堂は、建武二年(一三三五年)に、荒木正高が当地に足をとどめ、薬師如来の霊夢に感じて霊泉を発見した際に、建立したものと伝えられます。
昭和三十六年の台風により倒壊したため、再建され現在に至ります。
◆「病気を治す」薬師如来のご利益
長い間「お薬師さま」と呼び親しまれ、拝まわれてきました。
薬師如来は、東方浄瑠璃世界とよばれる浄土の教主で、正しくは「薬師瑠璃光如来」といいます。
「薬師」とは、文字通り「薬」に精通し人を助けた尊いお方のことで「医師」と同じ意味であり、古くから病気治療をつかさどる仏様として信仰されてきました。
人々の心と体の病を癒して苦痛を取り除き、,あらゆる衣食を満たし、寿命を延ばし、現世利益(げんぜりやく)を与えてくれます。
村杉温泉薬師乃湯は、大変珍しいラジウム温泉の効能が諸病を治すといわれ、古くから多くの湯治客が訪れ、温泉の効能と薬師如来のご加護で病気を治していました。
◆十二神将(じゅうにしんしょう)とは
薬師堂の中には、薬師如来に従い、世界を守護する十二神将が飾られています。この十二神は頭上に十二支の冠をいただき、昼夜十二時の守護をなしています。
一 宮毘羅(くびら)
二 伐折羅(ばさら)
三 迷企羅(めきら)
四 安底羅(あんてら)
五 額爾羅(あにら)
六 珊底羅(さんてら)
七 因達羅(いんだら)
八 波夷羅(はいら)
九 摩虎羅(まこら)
十 真達羅(しんだら)
十一 招杜羅(しょうとら)
十二 毘渇羅よびから)
◆村杉温泉に医者が育たないという言い伝え
ラヂウム温泉とお薬師さまのご加護で病気が治るため、村杉温泉には医者が育たないといわれています。その昔は、薬師堂の回縁(まわりえん)には、怪我が治って使わなくなった松葉杖がたくさん奉納されていました。
◆年中行事
1月16日 ごしょ初め(初薬師)
5月8日(旧4月8日) お薬師様の日
11月8日(旧10月8日 柿薬師
12月20日すぎ かね洗い(納め薬師)
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