野鳥の楽園で夏を過ごす ヨシゴイ
新潟県、越後平野の外れ、五頭連峰の近くにあるラムサール条約に登録されている「瓢湖」。
肉眼ではほとんど見ることが出来ないために、一般の人はあまり知らないけれど、野鳥観察カメラマンにとっては、一度は撮影に訪れてみたい野鳥の楽園「瓢湖」にいるのが、サギの仲間 「ヨシゴイ」 です。
地元、阿賀野市内の人でも、その姿を見たことはほとんどないのですが、NHKの全国放送で何度も取り上げられているので、珍しい鳥として徐々にその知名度が上がってきています。
ヨシゴイは、夏の渡り鳥です。
冬は、南米インドネシアやフィリピンなどに生息していて、夏の3か月間は繁殖のために、新潟県の瓢湖にわたってきます。
その名の「ヨシゴイ」とは、葦(よし)のたくさんある池で見られるためです。
猛禽類、ワシ、タカ等から身を守るために、ヨシの茂みに巣をつくり、卵を産み育てます。 巣の中に孵化した雛たちを残して、親鳥は瓢湖の小魚を捕り続けています。 一羽のヨシゴイが、一日に捕る小魚の数は、100匹にもなるということです。
ヨシゴイは水鳥ですが、ヨシの茎を伝って忍び歩く“忍者歩き”で、いつも空中を移動しているため、ほとんど水面に降りることはありません。 ヨシや蓮につかまりながら、水中の小魚を狙ったり、ヨシの葉になりきって敵から身を守る“葉隠れの術”でじっとしていたり、その動きは、大変ユーモラスです。
雛たちのために、小魚をとる際の成功率はなんと90パーセントとも言われています。
これは、動物界の中ではトップクラスの成功率です。
その成功率と、瓢湖の水中にいる豊富な小魚、そして、一面に茂るハスはヨシ。 これらが集まってこそ、ヨシゴイの楽園となったのです。 |