温泉の適応症の表示が改正されます
2014年01月24日
みなさんが温泉を利用するときに、お風呂の浴室に掲示してある「温泉分析表」。
その中に、温泉の効能、入浴の注意、適応症と禁忌症などが記載されています。
一般的な禁忌症の中には、「妊娠中(特に初期と末期)」 は、温泉に入らない方がいいという記述があり、妊婦さんから時々お問合せをいただいていました。
私たちは、根拠のないこの表示について、環境省が学会と数年前から変更準備を進めていることを知っていましたので、「どうぞ安心してお入りください」 と長年に渡りご案内していました。
妊婦さんも安心して温泉にどうぞ
環境省は平成26年1月24日に、やっと新たな基準案を作成して、禁忌とされてきた妊婦さんの温泉入浴の表記を削除して、療養効果が期待できる適応症に初めてストレス等を盛り込みました。
見直しは昭和57年以来の32年ぶりで、来年度から、全国の温泉旅館の掲示が変わることになりました。
現行の適応症の基準では、浴用の禁忌症として、「妊娠中(特に初期と末期)」の表示が義務付けられていましたが、根拠を疑問視する声があり、環境省は日本温泉気候物理医学会に調査を依頼して、「医学的根拠が不明」として、妊婦さんいついての記述を削除しました。
環境省によれば、妊娠中であることを「禁忌症」に含めた明確な理由は分からなかったということで、「妊娠の初期や末期は状態が不安定であることや、おなかで足元が見えず、危険だということなどを考慮したのではないか」ということです。
もともと根拠がなかった表示について、これでやっと解消されることになりました。
温泉は、ストレスやうつ病、自律神経の不安症などに良いとされました
一般的に期待できる適応症とは、温泉の泉質に関わらすすべての温泉共通の適応症ですが、「自律神経不安定症」「ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)」が明記されることになりました。
ただし、療養効果は温泉地の自然や気候などの総合作用であるとし、「十分な効用を得るためには通常2〜3週間の療養期間が適当」としています。
[国が昭和57年に設けた 温泉の入浴上の注意や効用]
一般的禁忌症
急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性の疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)
[環境省が現在変更予定の 温泉の入浴上の注意や効用]
一般的禁忌症
病気の活動期(特に熱のあるとき)、
活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、
少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、
消化管出血、目に見える出血があるとき、
慢性の病気の急性増悪期
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