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   全国ぬる湯サミット   in  佐賀県 古湯・熊の川温泉郷 記録帳
 
 
Vol.1
これからの時代の温泉
ぬる湯とは

Vol.2
ぬる湯で病気を治す

Vol.3
美容とぬる湯
Vol.4
ぬる湯宣言

 

ぬる湯と美容 対談

松田忠徳教授松田忠徳先生 〔札幌国際大学観光学部教授〕 公式ホームページ 毎日が温泉.com
石井宏子氏石井宏子さん [温泉ビューティー研究家] 公式ホームページ ブログ

 

美容と温泉の関係

石井宏子氏[石井] 美容と健康とはたいへん関係が深く、健康とぬる湯についてもう少し深く聞いてみましょう。
松田忠徳教授[松田] 出雲国風土記(いずものくにふどき)という733年に今の島根県で書かれたといわれている書物で、きちんとした温泉と美容に関する記述がある日本最古の文献で、玉造温泉についての記述がある。「ひとたびすすげばかたちきらきらしく、ふたたび浴びせればよろずの病ことごとくに除く」一度温泉に入るとたちまち容姿端麗になり、再び入ればどんな病気も治る。・・・まさにわれわれが、いま必要とする最高のキャッチコピーです。

医学の発展で様々な病気を治すことができるようになったきたが、その反面、若い人の間で、うつの症状が増えてきている。現在書店では、がんの本よりもうつの本が多くなってきています。この出雲国風土記でわれわれの先人は、まさに温泉の良さを言い当ててくれた。

そこで、若者の精神にかかわることとして2つのことが考えられる。

一つは、シャワーの問題。もう一つは心の問題があると思う。シャワーは欧米から入ってきた効率至上主義の入浴法で、短時間で効率的に体を洗うことができる。日本人は皆が一斉に一つのもに向かっていく国民性で、みんながシャワーを使うようになった。そして過去から繋がる大切なものを失ってしまう。

私達の暮らしはたいへん便利になったが、今の機能的な暮らしになって、まだ20〜30年程度しか経っていない。急いで効率的に、目に見える汚れを落とすよりも、目に見えない「心の汚れ=けがれ」を落とすことが日本の温泉文化。「ああ、さっぱりした。気持ちいい〜」 日本人は、心まで綺麗になるような清涼感を風呂で感じている。

西洋人はカラダの脂を落とすために効率至上主義のシャワーを愛する。今の日本の若者は、一人住まいでシャワーを浴びる。水がもったいないから一人住まいではほとんど風呂に入らない。私が子供の頃は、日本人の平均体温は36.5℃〜36.7℃だった。だが、いまの日本国民の半分は、体温35℃台。35℃はがん細胞がもっとも喜ぶ温度なのでカラダにとってはたいへん危険。

いまデトックスという言葉がはやってきています。悪いものを体の中から出すこと、いわゆる解毒です。一人住まいでは安い物ばかり食べているので、いいものは食べられない。簡単に済ますことができる食事は、安心で安全なものではない。シャワーではデトックスはできない。シャワーだけでは健康になれないが、温泉はじっくり入れば体温を上げる。皮膚から温泉成分を吸収し、呼吸からも吸収できる。しかし、一番効果的なのは、血液の温度を上げ血流を促進し悪いものを体の外に出す。これが、デトックッス。それと同時に、一日の仕事の疲れをとるために、お風呂に入って生活の区切りをつけ、会社人間はそこで終わりにして、家庭人間に戻ることができる。これが、シャワーでは、生活の区切りができないし健康的な状態にもなれないから、体の調子が悪くなっていく。若い人がパワースポットに行くのは何らかの心やカラダの不調があるから。

とても情緒的な話に聞こえるかもしれないが、私の話のバックボーンは科学です。そしてその科学理論に基づいたことと、情緒的なこと、その両方が無ければうまくいかない。われわれ日本人を最も癒してくれるものは、歴史と文化の連続性の中にあるもの。

日本人にとって、家庭の風呂文化はスキンシップの基本だった。日本人は風呂に入って子供を育てていた。風呂に家族で入ることによって、お父さん、お母さん、家族でのいい環境を作ることができた。風呂は素直になれるから、いい子育ての現場だった。子供一人でシャワーを浴びるようになり、親子で裸になって一緒に話す機会はなくなった。家族の精神環境の向上の場の一つは風呂だった。風呂は日本人の原点ともいえる場所。シャワーによってその場を失うことは、われわれ日本人の心の健康、美容の場を失うことになっている。

 

ぬる湯と美容

 

石井宏子氏[石井] お風呂は美容の原点。
美容の観点から考えると理想的なぬる湯の温度は・・・・ 34℃から38℃。熱いとか冷たいとかを感じないでずっと入っていられる温度。日本人が「いい加減だね」という温度をぬる湯といいます。

ヨーロッパではぬる湯が主流の考え方。ゆっくり浸かることでカラダにいい温泉の成分を取り込みながら、心臓への負担を減らしゆっくり体を温めてゆくことができる。それが美容的には、エビデンス(基本・根拠)。一番大切なことは、体を温めること。美容的にも「温め美容」という言葉があり、冷えは美容の大敵で、皮膚がカサカサになり、代謝が悪くなればダイエットが気になる体型になってしまう。肌のシミも代謝が悪くなることによって起こる現象。温まることをしないということは美容の大敵に色々な面で繋がってしまう。

美容にとっては、血行を促進する、体の循環を良くすることがもっとも大切。デトックスとは、体の中の不要なものを外に出す、毒素・老廃物=病気の元を体の外に出すこと。
本来人間は自分で出来るはずだったが、年齢と共にできなくなり、体の中にいらないものが残るようになった。体の中の老廃物は血液の流れによって体外に運び出されるので、温泉にゆっくり浸かって血液の流れを良くすることで、老廃物が運び出されるので美容にとてもよいということ。


温泉でお参り

 

松田忠徳教授[松田]近年はパワースポットブームといわれていて、温泉地に行くと必ず氏神様が祭られていて、それが温泉神社になったりお薬師様だったりするわけなんですけれど、私は、温泉地に行ったら必ずそこの氏神様へのお参りをおすすめしている。

その理由は二つあり、一つは、まずその土地の神様に感謝をしてそれからお湯を頂くことで自分も気持ちがいいし、ご利益があるはずだから。そしてその土地の神様も喜ぶ。

そしてもう一つは、大体そういうところは高台にあり景色のいい場所だから、「とてもご利益のある、私たちが大切にしている神様だから、ぜひお参りに行かれてはいかがですか」とお客様にお勧めしていただくと、高台までの階段を上ることで、ご利益があるだけではなく、美と健康にも繋がる。「ご利益がある」といわれると、否応なしに階段を上り下りするわけで、それが適度な運動に繋がる。だから、いまのパワースポットブームは温泉地にとってはとてもいいなぁと思っています。

松田忠徳教授[松田]人間の健康を維持するために、免疫力を高めて病気になりにくいからだをつくる。そのために温泉に入る。たとえば、長湯温泉の炭酸泉に入ると5〜7倍も血流がアップする。新潟の五頭温泉郷や当地の熊の川温泉は、ラジウム温泉だから温泉に入ることで免疫力を高めてがんになりにくい体を作ることができる。中性脂肪を除くことも知られている。そういう風呂に入ること、そして歩くこと。特に階段の上り下りはたいへんいい。

なぜ歩くことが大切かというと、人間の体は腰から下に筋肉の70パーセントがある。だから、血管はほとんど下半身にある。われわれの体の中には、10万キロ以上の長さの血管がある。だが実際には体の隅々の血管まで流れていないから、それを流れるようにすることが重要。

どうしてデトックッス=解毒してあげないといけないかと言うと、活性酸素を生み出すから。活性酸素はがんの元。いまの西洋医学でも病気の90パーセント以上は活性酸素が原因とわかっている。だから解毒しておかないといけない。シャワーだけではデトックッスはできない。日本の伝統文化である入浴をしていない。そして笑うこと。これが温泉地での健康的な過ごし方。

1 入浴すること
2 歩くこと
3 地の食べ物を食べる
4 笑うこと

松田忠徳教授[松田]昔の温泉での過ごし方は、温泉に入って下駄を履いてお参りに行き、地のものを食べ、楽しく笑って過ごす。まさに健康そのもの。ところが、最近の温泉旅館は、部屋の中にまで露天風呂を作り、パブリックの風呂に全く入らないで帰る人も多い。それは、お客の側だけが悪いのではなく、迎える側も理想の過ごし方を発信して、納得してもらうことが必要ではないか。

都会の人間は、元気を貰いたくて温泉に来ている。元気をもらえることがわかる温泉に行きたい。この温泉でこうすると元気が出る、医学的に科学的にその理屈を発信していかないといけない。特に世界に対してはそれをしてゆかないといけない。外国人は情緒文化ではないから雰囲気だけでは通用しない。

各温泉地でそこならではの入浴方法を確立してください。いまの団塊の世代は、マニュアルが欲しい。どういう風に楽しむかがわからない。どこにお参りしたらいいのか教えてあげる。本の通り歩き回る人も多い。

 

温泉ビューティー入浴法


石井宏子氏[石井]温泉ビューティー研究家としてのおすすめの入浴方法

1 水をたくさん飲む。
湯上りに水をたくさん飲みましょうと勧めるところは多いけれど、入浴前にも水を飲みましょう。水分を採って血流がいい状態になってから、つまり温泉の効果を取り入れやすい状態で温泉に入る。

2 入浴前にかけ湯をする
温泉に入る前にかけ湯をたっぷりする。かけ湯は、カラダと肌を慣らしてから入ることができとても重要です。だから、旅館の皆さんは湯船の横に、かけ湯のできる桶を置いて欲しいのです。もちろんお湯をかけて入るというマナーももちろんですが、シャワーではなく、これから入る湯船のお湯をかけて入ることが大切なのです。

3 入浴後15分以内に保湿クリームを塗る
お風呂から出たあとは、必ず15分以内に保湿クリーム、ローションを塗る。肌はすぐに乾燥するので忘れずに塗って欲しい。
美人の湯、美肌の湯と呼ばれる温泉が全国にあるが、それぞれの泉質、特性によってなぜ美肌の湯なのかが変わってくる。それぞれ違う美肌の湯だから、入り方、入浴後のケアの仕方も変わる。

この古湯・熊の川の場合は、アルカリ性という点において美肌の湯であり、塩化物泉や硫酸塩泉などは肌をしっとりさせるという意味で美肌の湯になる。硫黄や炭酸ガスは、血の巡りを良くして内側から輝かせると言う意味で美人の湯と言える。自分たちの温泉の特性を見極めて、「だから、こう肌にいいんですよ」とアピールすることが大切です。


温泉ミストよりも  現地で源泉に触れよう


石井宏子氏[石井]いま、全国で温泉ミストというものが売り出されているが、フレッシュな温泉に適う物は無いと思う。温泉をおみやげ物に加工したいという気持ちは応援したいが、温泉地でしかできないことをお勧めしてもらいたい。たとえば、できるだけ源泉に近い場所でお湯に触れるとか、源泉で顔を洗えるとか、源泉でパックするとかそういうことをお勧めしてもらいたい。

「顔洗いの湯」とか「温泉パック」などをぜひ考えてもらいたい。私はシートパックをいつも持参している。
化粧をしているとお湯でジャブジャブ洗うことはできないので、シートを自分用に加工してそれを温泉に浸してパックしている。化粧も取れないで温泉パックすることができる。


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新潟県 ふるさとがしのばれる宿 角屋旅館

 

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ラジウム温泉で健康に。 4つの無料貸切風呂 露天風呂付き客室 食事内容も自由に選べます。

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