糖尿病の方のお食事
糖尿病の方のお料理を温泉旅館としてご用意する上で、アルコール類を除けば、食べていけないものはありません。
一日三食をカロリーを抑えながらキチンと食べるということです。
見た目は普通の美味しそうなお食事と変わりありませんが、極力低カロリーなお料理にいたします。
角屋旅館では、毎日食材が異なるため、細かくカロリー計算は致しませんが、低カロリーな食材を使用して糖尿病治療中の方向けの食事をご用意いたします。
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糖尿病の人はそれぞれのカラダの力によって、食事の適量が異なります。
その人がインスリンを分泌する力に合わせて食べること、膵臓の働きに負担をかけない量がそのひとの「適量」です。
では適量とはどんな量かというと、自分の標準体重が維持できている食事量が本当の適量となります。太りすぎたり、やせすぎたりしなければ、適量の食事をしていることになります。
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栄養素には6つの種類があります。炭水化物、たんぱく質、脂質、ミネラル、水。
このうち炭水化物、たんぱく質、脂質がエネルギー源になります。これらの栄養素はお互いに一定の法則に従って調節しあいながら働いているため、偏った栄養の取り方を長期に渡って行わないようにします。
厚生労働省では、「一日30品目の食品を食べましょう」としています。これは、種類を増やすことでそれぞれの食品の栄養成分を比較的簡単に摂ることができ、自然とバランスの良い食事ができるからです。
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一度にたくさんの量を食べると、ブドウ糖をカラダに取り込むためのインスリンがたくさん必要になります。糖尿病の人は、このインスリンが素早く出なかったり、十分に働かないなどの理由で血糖値が高くなってしまいます。
また、一度の量は少なくても、不規則な間食などをくり返していると、膵臓は休みなく働かなければなりません。 ですから、規則正しく食事をとり、時々膵臓に休憩時間を上げることが大切です。
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昔は「甘いもの」といえばサツマイモ、カボチャなどの野菜のことでしたが、現代では、砂糖や果糖などを使ったものがほとんどでカラダへの吸収が早いため、一度にたくさんとると血糖値を急激に上昇させます。
血糖値の変化が激しいのは、あまり好ましくありませんから、糖尿病治療中は、缶コーヒー、ジュースなどを毎日飲むことはできるだけ控えましょう。
砂糖を控えたほうが良い理由のもう一つは、血液中の中性脂肪を上げる点にあります。血液中の中性脂肪が多いと動脈硬化のリスクを高めるのです。 砂糖を全く食べないのではなく、できるだけ少なくして生活する習慣をつけることが大切です。
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糖尿病の方は合併症の予防のために、血圧の管理が必要とされています。高血圧の予防やコントロールには薄味が大切です。
角屋旅館のお料理は健康になるためのお料理ですので、どれもが塩分ひかえめです。よく噛み、素材本来の味を楽しむことが健康な食事方法の第一歩です。
塩分をひかえめにしても、しっかりと昆布と鰹で出汁をひいているため、やわらかくて味わいのあるお料理をつくることができます。ご家庭でも、昆布と鰹の出しに慣れて頂ければ、健康的な食生活を楽しむことができるようになるでしょう。
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脂っこいものがなぜいけないかというと、脂=脂肪はエネルギーが過剰になりやすいからです。
炭水化物に比べて、脂肪には約2倍のエネルギーがあります。そして、脂肪酸は糖尿病に合併しやすい高脂血症の発症に密接に関係しています。
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食物繊維は血糖の上昇を緩やかにさせたり、コレステロールの上昇を抑えるなど、糖尿病の食事療法には最適な効果があります。エネルギーも少ないので、安心です。
野菜や海草のほかに、玄米に大麦にもたくさんの食物繊維が含まれいますので、玄米をおすすめします。
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お酒を飲んではいけない人はこんな人
【1】 血糖値コントロールの良くない人
糖尿病のコントロールは、自分の不摂生による物ばかりではありません。
色々な原因でコントロールが乱れることがあります。
【2】 糖尿病の薬を飲んでいる人
アルコールは薬の効き方を変えることがあります。薬とアルコールの影響は、薬剤師に確認しましょう。
【3】 肝臓・膵臓・心疾患などの病気がある人
これらの病気の人は、おそらく医師から禁酒を指示されているはずです。
【4】 中性脂肪の高い人
アルコールは、動脈硬化の悪化につながり易い中性脂肪を高めます。
【5】 体重が多い人
減量の指示を医師から受けている人は、アルコールのカロリーも気をつけなくてはなりません。 |