渡り鳥は、地球環境の変化にとても影響されやすい生き物です
コハクチョウの繁殖は、シベリア。 越冬・生育は新潟。
新潟平野の穀倉地帯と湖沼は、白鳥たちの絶好の餌場と寝場所。
4000キロ離れたシベリアまでは、雪の解け始めた新潟平野で十分に食べて、たっぷりの皮下脂肪を付ける必要があります。 飛行中は、皮下脂肪をエネルギー源として使います。
雪解けが遅れると、3月中に十分な食料を採ることができず、旅立ちが遅くなってしまいます。
シベリアには4月に帰り、5月に巣作りをして、6月に子供が生まれ、三か月後の9月になると、幼鳥は飛ぶことができるようになり、再び日本を目指します。
白鳥のような渡り鳥は、日本とシベリアの季節の変化の中で生きるすべを身に付けてきました。
3月の雪解けが遅れると、皮下脂肪の蓄積が遅れ、シベリアへの旅立ちが遅れます。
シベリアへの到着が遅れると、産卵が遅れて、子供たちの成育が遅れ、日本へ旅立つ時期が遅れます。
子供たちが旅立つチカラを付ける前に、地面が凍り始めれば、日本までの4000キロの旅を完了できる白鳥が減ることになります。
だから、気象の変化は、渡り鳥の暮らしにも大きな影響を与えることになるのです。
白鳥の生態について、簡単な図を作ってみました。
どうぞご覧ください。 |